Redmineで始める異世界人心掌握術 [異世界ファンタジー/長編/完結済]
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「それから、『文書』と似た機能として『ファイル』ってのもあるんだけど」
「へー。どう使い分けるの?」
「……それが、あんまり良くわからないんだよねー……」
「えー」
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『ファイル』機能は、『文書』の機能と非常に似ているが、想定している用途が違う。『文書』はプロジェクトの運営に伴って作成されたドキュメント類を登録することを想定しているのに対し、『ファイル』はプロジェクトにおいて完成したソフトウェア(成果物)をダウンロードしてもらうために登録しておく機能……だと思われる。
新しいファイルをアップロードする時には、そのファイルの説明文の他に、そのプロジェクトに登録されている『バージョン』を指定することが出来る。それぞれのバージョンごとの成果物を並べておくことが出来るのだ。他にも、アップロード時にはファイルサイズやチェックサムが自動計算され、ダウンロード回数をカウントする機能も持っている。
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……とは言っても、なあ。通常のプロジェクト管理では、使いみちがないんだよなあ……この機能。どう使えばいいんだろ……
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ちなみに。チケットに添付したファイルも、『ファイル』機能からアップロードしたファイルも、基本的には同じルールでRedmineのサーバーに格納される。
具体的には、Redmineのルートディレクトリに「files」というディレクトリがあり、その中にアップロードした日に応じて「年」及び「月」のサブディレクトリが自動で作成され、その中に任意のファイル名で保存されるのだ。また、そのファイルの情報は、データベースの「attachments」というテーブルにすべて保管されている。
言い方を変えれば。
Redmineに登録された添付ファイルは、必ず『プロジェクト』、『バージョン』、そして『チケット』のいずれかに紐付けられる。その『プロジェクト』と『バージョン』に紐付けられたファイルを管理するのが、『ファイル』機能というわけだ。
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……うーん。いくら説明したところで、あんまり使いみちがないのに変わりはないんだけど。
素直に、チケットに添付されたファイルも一覧表示してくれた方が、私は嬉しいんだけどな。両者を区別する意味ってあんまり無い気がするんだよね……
いっそのこと、無効にしておくのが一番良いかもしれない。『文書』との違いを初心者に説明するのも大変だし。ユーザーが悩まずに使えるようお膳立てするのも、管理者の大事な仕事だしね。
「……レヴィ様、そちらは塩ですよ。砂糖はこっちです」
「えー、塩なんて置いとかないでよー。けっこう入れちゃったよー」
……ほら、あんな事にならないように。