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Redmineで始める異世界人心掌握術 [異世界ファンタジー/長編/完結済]

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#46 テーマを設定します

 プロジェクト単位での機能は、こんなところか。
 あとは、システム全体の動作を設定する、管理者向けの設定パネルのところ。動作に必須となる箇所はちゃんと設定したけど、それ以外の箇所はそんなにじっくりと見てないんだよね。この機会に、細かいところまで確認してみるか。
 最初に目を引くところとしては……『テーマ』かな、やっぱり。Redmine系女子としては、見た目にはこだわりたいよね。

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 Redmineの画面は、テーマを設定することで自由に見た目を変更することが出来る。具体的には、好きなスタイルシートとJavaScriptを自由に適用することができるのだ。標準で用意されているテーマの他にも、インターネット上にたくさんのテーマが公開されている。適用したければ、ダウンロードして所定のディレクトリに配置し、管理画面の『テーマ』プルダウンメニューでそのテーマ名を選択すれば有効になる。
 また、自作するのも簡単だ。同じく所定のディレクトリに、所定の名前でスタイルシートとJavaScriptファイルを置くだけでいい。ソースに修正を加えることなく見た目を変更したい場合に、テーマの自作は非常に有効な手段である。

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 ……これだけで見た目を変えることが出来るんだねー。Redmineの再起動も不要だし、とっても便利。外部のWebフレームワーク……例えばBootStrapなんかも利用して、もっと可愛く装飾するのも簡単みたいだ。絵文字なんか取り入れてみるのもいいかもしれない。標準のテーマはけっこう簡素というか無骨な感じもするし、この見た目だけで敬遠する人もいるかもしれないので、ちょっと可愛く|装飾《デコ》ってみようかな。スタイルシートとJavaScriptも、もっと勉強しなきゃ。

 ……。
 そう言えば。
 レヴィの見た目も、テーマで変更することが出来ちゃったりするのかしら。

 紅子の視線で、何やら危険を察知するレヴィ。

「何よ、紅子。その『面白い事思いついちゃった』みたいな目は」
「あら、よくわかるわね」

 そう言いながら紅子は、新しいテーマを作成し、スタイルシートで|hair《髪》の|color《色》プロパティを|turquoise《青緑》に変更してみた。……あの有名な電脳歌姫の色だね。さて、このテーマを適用すると……

 なんと。亜麻色だったレヴィの髪の色が、一瞬で青緑に変わる。

「おおー、本当に変わった」
「ええ、ちょっと紅子何したの? ……あああ! 髪の毛が緑っぽくなってる!」
「いいじゃん、レヴィ。その色も可愛いよ」
「そうですよ。立ち位置的に緑は微妙ですが、それはともかくとして、とてもお似合いです」

 ジェミィも笑顔で同意する。

「……そ、そう? ……じゃなくて! 早く戻してよ! ヒトの身体で遊ばないで!」

 恥ずかしそうにレヴィが抗議する。スタイルシート一つでイメチェン出来るなんて、こんな羨ましいことはないのに。紅子は仕方なく、元の亜麻色に戻す。

「ごめんごめん……でも、オシャレしたかったら、またやってあげるよ」
「……うん」

 レヴィは照れ臭そうに頷く。どうやら本心では、まんざらでもないようだ。

「おはようございます。……何だか、盛り上がってるみたいですけど」

 朝の鍛錬を終えたライカとジーナが食堂に入ってくる。そのジーナに気付いたレヴィが、満面の笑みを浮かべる。

「あのさ、紅子。あたしの見た目を変えられるなら、ジーナにも同じことが出来るよね……?」
「……うん。出来るね、確かに」
「え? え?」

 いたずらっぽく笑う紅子とレヴィとは対象的に、話の流れがわからず戸惑うジーナ。

「ショートヘアなんかも見てみたいわね」
「あー、可愛いだろうなあ」
「猫耳とかつけちゃったりして」
「思い切って、二十歳くらいまで成長させてみるのはどうでしょう」
「あ、それいい! ジーナが大人になった姿見たい!」
「ちょっと! さっきから何の話ですか!?」
「いや、今の年齢のままで胸だけ大きくするというのもなかなか」
「おい、今のセリフ言ったの誰だ?」

 思わぬ事から大盛り上がりする紅子たち。そんな皆の様子を、笑顔半分、呆れ顔半分のライカが見守る。