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Redmineで始める異世界人心掌握術 [異世界ファンタジー/長編/完結済]

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#47 プラグインを活用します

 さて、テーマで変更できるのは、あくまでスタイルシートとJavaScriptで変更できる部分。つまり、ページが表示された後の、見た目の部分だけだ。ページに表示する内容そのものを変更したり、さらに言えば、Redmineが持っていないような全く新しい機能が必要な場合、どう実現すればよいだろうか。そういう場合に、プラグインの追加という手法がある。

 Redmineは標準でも様々な機能を持っているが、プラグインを追加することでより便利に使うことが出来る。入力を補助する機能、レポートを作成してくれる機能など、痒いところに手が届くような便利なプラグインがインターネットにたくさん公開されている。機能がないからと言って、ソースのカスタマイズなどを検討する前に、使い方にあったプラグインが公開されていないか、まずは探してみたほうがいいだろう。

 また、プラグインはもちろん自作する事もできる。しかし、開発にはRubyの知識が必要で、ハードルは結構高い。

 *

「……へえ、プラグインによるパワーアップですか」

 ジェミィにもらったホットミルクを飲みながら、ジーナが感心したように呟く。

「本当に、いろんな事が出来るんですね、Redmineって」
「ねえねえ、例えばどんなプラグインがあるの?」

 横からレヴィが身を乗り出す。

「そうねえ……」

 紅子は、参考書の後半、『人気のプラグイン』あたりのページをめくる。

「……特に人気があるのは、ガントチャート機能をもっと便利にするプラグインとか、お知らせ用のバナーを表示できるプラグインとか……あとは、新しいチケットの作成時に定型文を設定できるプラグインなんかも人気だそうね」
「うーん、もっと派手なのはないの? 雷を落とせるとか、吹雪を起こせるとか」
「んな物騒な機能はいらないのよ、私の世界では」

 と言いながら紅子は、この世界のRedmineでプラグインを実装するとしたら、どんな風になるのだろう……と考えていた。確かに、雷を落とすようなプラグインも、ひょっとしたら出来るのかもしれない。さすがに、さっきのテーマのように簡単に、とはいかないだろうが。……|レイラ《お母さん》は、そういうのも作ってたのかな。残ってないか、あとで探してみようか。

「……そう言えば、その、プラグイン? というもの、作られてましたよ。レイラ様」
「ほんとに!?」

 さすがは天才|魔族《エンジニア》、何でも出来るんだなあ……どんなプラグインを作ったんだろ。

「確か、ご自分からラベンダーの|香り《アロマ》を漂わせる機能だったような」

 ……何作ってんのお母さん。なぜにプラグインで。