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Redmineで始める異世界人心掌握術 [異世界ファンタジー/長編/完結済]

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#48 電子メールを活用します

 それから、他に気の利いた機能といえば……。
 そうそう、電子メールだ。電子メールとの連携機能がかなり充実してるんだった。この世界ではあんまり関係ないけど……

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 チケットの変更時など、ステータスの変化を電子メールで通知する機能は、もちろんRedmineは標準で持っている。通知する対象は、管理画面で細かく設定することができるし、個人設定でも選択することが出来る。
 しかし、電子メールで出来ることはそれだけではない。チケットの登録も可能だ。いろいろ事前の準備は必要なものの、決められたルールでRedmineに電子メールを送信する事により、チケットの登録や追記も出来るのだ。

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 ファイル管理だとか、会議のやり方だとか。色々改革しようと思ってることはあるけど。
 仕事における電子メールの使い方についても、是非とも改革しようと思ってたんだよね。

 まず。重要な事をメールに書くのもいいけど、後から探すのが結構大変なんだよね。便利なメールクライアントが使えればまだマシだけど、指定されたソフトしか使えない会社も多いし。
 それから、例えば十人のメンバーに情報を共有するのに、メッセージが十個に複製されて、十個のメールボックスにバラバラに届く仕組みって、なんだかとっても時代遅れな気がして……私だけかな? こんな事考えるの。あ、あと間違った情報を訂正するのも手間だよね。メールだと。
 これって結局のところ、情報を分散させているだけなんだよね。やっぱり、重要な情報はRedmineみたいなシステムに集約すべきだと思うんだよ。『分散』じゃなくて『集約』。で、『新しい情報が登録されましたよ! だから確認しに来てくださいね!』みたいな通知がメールで送信される。これが理想だと思うんだよね、私は。
 電子メールによるチケットの登録も、すごく良い機能だと思うんだ。『Redmineにチケットを登録するために』メールを送信して、チケットが登録されたという通知が関係者に届く。……何と言うか、ムダがないよね。洗練されてる。これこそ私が理想とする形だよ。一歩先を行ってる感じがするよね。

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「紅子さんの世界にも、便利な通信手段があるんですね」

 ジーナがまたも感心したように呟く。

「うん……確かに、こっちで言う魔力通信とよく似た通信網があってね。電子メールとかはかなり昔から使われてきた技術なんだ。でも、さすがにもう古い技術で、不便なところもあるし、悪用されたりもするし、それに伴って社内の規制も厳しくなるし……だから、もっと別の手法で情報共有出来ないか、って言う声も大きくなって来たんだ。実際、ビジネスチャットと呼ばれるシステムに切り替えた会社もあるって聞いた事があるし」

 ウチの会社は、セキュリティがどうとか難色を示されて、実現出来てないけどね……でも、いつかはメール地獄から脱却したいなあ。